2019.1.11 ブログ

わかりやすく解説!塗料のウレタン、シリコン、フッ素って、一体何が違うの!?

こんにちは!神奈川県相模原市、町田市、八王子市で外壁、屋根の塗装・リフォームも行う株式会社「絆」(KIZUNA)です。

今回は外壁や屋根の塗り替え工事をお考えの皆さんに、塗料を選ぶ上で非常に役立つ情報をお伝えしたいと思います。

弊社のお客さまからも人気のある塗料の一つに、関西ペイント社の「ダイナミックTOP」という塗料があります。関西ペイントさんの塗料を使用している施工店は沢山ありますが、今日は関西ペイントより
東京建設塗料販売部 川越営業所 所長 藤谷さん
東京建設塗料販売部 千葉駐在所 係長 齋加さん
にお越しいただき、塗料に関することを根掘り葉掘り質問させていただきました。

第一弾は…
「塗料のウレタン、シリコン、フッ素って、一体何が違うの!?」
というテーマでお送りしたいと思います。
まさに今、外壁の塗替えを考えているという方、必見です!

■塗料の値段と耐久性の違いはわかるけど、そもそも何が違うの!?

インタビュアー(以下、イ):藤谷さん、齋加さん、本日はわざわざ絆にお越しいただきありがとうございます!早速ですが、ウレタン、シリコン、フッ素塗料の違いについて教えてください!

藤谷さん:まず当然塗料の樹脂が違います。
ウレタン樹脂を使っているのとシリコン樹脂、フッ素樹脂と。

イ:樹脂というのは何ですか?

藤谷さん:塗料の液体を作るのには、「樹脂」「顔料」と「添加剤」あとは希釈の「水」だったり「溶剤」だったりと、この4つで形成されています。
この中で樹脂というのは塗膜の持ちに一番影響を与えます。
顔料というのは色付けです。青だったり黒だったり。
添加剤というのは塗料を塗りやすくするために、塗って垂れないようにするですとか、塗料が平らになるようにするために入れているものです。

あと水というのは希釈。樹脂そのままですとものすごく粘っこくて硬いので、それを水や溶剤を加え薄めることで塗りやすくしています。

ですのでウレタン、シリコン、フッ素で耐久性が違うというのはその樹脂の違いなんです。細かく言うと顔料の違いとかもあるのですが、基本的には樹脂の違いで塗膜の持ちが変わってきます。


(図:ダイナミックTOP資料より抜粋)

カタログにもありますが、よくこういうグラフがあります。
これは「光沢保持率」と言って、最初に塗ったときの艶感が100%として、経年とともにどれくらい艶が落ちてくるかというグラフなんです。

これは機械で塗装後の塗膜に対し3000時間を超える試験をしていて、だいたい3000時間で10年位たった状態です。
緑の線、ウレタン塗料ですと、10年位経つと艶感が4割くらいになってしまうんです。
グラフの青い線、シリコン塗料ですと9割位は維持できている。
そしてピンクの線、フッ素塗料ですとほぼ変わりません。

艶が落ちてくると何が懸念されるかと言うと、表面がガサガサになってくるので、塗料が劣化していくんです。水が入ったりして。
光沢を保持することが一番耐久性に影響するので、まずはここがそれぞれの樹脂で違うと。
塗料メーカー全体でこの考え方は変わりません。

イ:フッ素は艶がほとんど落ちないんですね。

藤谷さん:はい。ほとんど変わりません。
最初に塗ったときからちょっと2〜3%くらい落ちるかなという程度です。

イ:しかし、フッ素はよく硬くて割れやすいと伺いますが、どうなのですか?

藤谷さん:フッ素だから割れやすいということはありません。
塗料にも硬いものと柔らかく作られているものとあります。必ずしもフッ素だからということではありません。

齋加さん:どうしてもフライパンのフッ素樹脂のようなああいった硬いイメージを持たれる方が多いのですがそうではないのです。

イ:ではフッ素はなぜそんなに艶を保持できるのですか?

藤谷さん:まず分子間の結合の話になります。(※難しそうに聞こえますがこのあとわかりやすく説明してくれています!)


(分子の図:ダイナミックTOP資料より抜粋)
フッ素樹脂はこの結合力、分子同士が手をつなぐ力が強くて、一番エネルギーが強いのです。

屋外に塗装して紫外線が当たると、樹脂の分子の結合というのは徐々に分解されていくのですがフッ素はエネルギーが強いので多少紫外線があたっても壊れないんです。

比べてウレタンの分子のエネルギーというのは弱いので、紫外線とか水とかに当たると繋いでいた手が離れていってしまうんです。そうすると、劣化が始まるんです。

齋加さん:よく塗料のカタログで球体の図が描かれているのは、この分子を表しているんです。

イ:ウレタンは耐久性は短いですけどその分費用は手頃なんですよね?

齋加さん:はい。安価に抑えられます。
耐久性と価格は比例すると考えていただいて問題ないです。

ウレタンより安価な材料にアクリルなどもありますが、今家の外壁を塗り替えるときにアクリルを選ぶ人はまずいないのでカタログには載っていないですけれど。
ただ新築で、工場などで予め外壁塗料が塗られてくるようなものの中には、アクリル塗料が使われているケースもあったりします。

メンテナンスの時にはその後の耐久性を考慮し塗装会社さんが提案してくださるので、今主流になってきているのはシリコン塗料です。

■工場での建材製造でアクリル塗料が使われている理由

イ:先程の、アクリル塗料が新築時に工場で塗られてくるというのは、建売住宅などですか?

齋加さん:ええ。多いですね。

イ:では一般的に10年経ったらメンテナンスと言われていますが、アクリル塗料の耐久性を考えると、それよりも前にメンテナンスしておいたほうが良いということですよね!?

齋加さん:アクリルが塗ってあれば本来はそうですね。
特に建売の新築の場合に材料を指定するということはほとんどありませんので。

どうして安価な塗料を使うのかという話ですが、それは塗料だけに限ったことではなくて、トイレやユニットバスなども同じことが言えます。何故かと言うと、家全体で色んな建材が必要になる中で、トータルで手に入れやすい価格に収まるように考えられているからなんですね。

大きなお金がかかる新築時だからこその考え方で、リフォームの時にはハイスペックの物を選ぶ方も沢山いらっしゃいます。

藤谷さん:次に顔料の話です。
色付けに使う顔料ですが、よく壁を触ると白い粉が手につくことがありますよね。
チョーキングといって、それが劣化の始まりなんですよ。
なぜ起こるかというと、樹脂の中に顔料の色粉があるんですよ。
樹脂が紫外線などで劣化していくと、樹脂の表層が無くなっていくんです。
樹脂が薄くなっていく。
すると、色粉が表層から飛び出してしまって、手につくようになるんです。
そうなると塗り替えどきです。

イ:どのくらいで劣化していくのですか?

藤谷さん:基本的には光沢保持がある状態では樹脂の状態も心配ありませんが、
10年位すると艶が無くなってきて表層がやられてきてしまう。
ウレタンですとだいたい7〜8年くらいでチョーキング現象は始まってきます。
なのでベストは8年位での塗り替えといえますね。
もっと劣化が進むと色も変わってきて青から水色になってしまったり、赤がピンクになることもあります。

それは顔料が取れていくからというのと、紫外線で変色していくからです。
フッ素になると顔料も良いものを使っているので、15年位は維持できます。
しかしフッ素はその分値段が張るのでコストと耐久性のバランスを考えてお選びいただいています。


(塗替えサイクルコストのグラフ:ダイナミックTOP資料より抜粋)

イ:その他、シリコン塗料に関しては特徴などはありますか。

藤谷さん:そうですね。これはシリコン樹脂の特性なんですけれども、少し汚れづらいというのはあります。樹脂そのもの自体がですね。
そして費用はウレタンとフッ素の真ん中ぐらい。
人って選択肢が3つあると真ん中を選ぶ人が多いと思うのですが(笑)、真ん中のグレードのシリコンが今主流になってきていると。

藤谷さん:上の表では30年間で見たときに、何回塗り替えが必要になるかというのを「塗替え回数」として右端に記載していますが、
ウレタンで1回の塗装は安く済みますが、長い目で見ると塗替え回数が4回とその他塗料に比べて多いですよね。なのでトータルで見るとかかる費用はさほど変わらない。
そう考えると、毎回足場を組んで工事してという大変な思いをするよりも、耐久性の良い塗料を選んで、少ない回数で済ませる方法を検討しても良いのではないですか、ということです。

イ:その他に塗料を選ぶ上で気をつけておきたいことがあれば教えてください。

藤谷さん:うーん、そうですね。
フッ素での塗替えをされたときに、その後すぐの塗替えは気をつけなければいけないところですね。
例えば気が変わったとか、他の色が良くなったと言っても、フッ素は表面がツルツルしていて、特に溶剤系の場合は引っかかりがあまりないものですから食いつきがないんです。
上から塗る塗料の付着に注意しなければならず、単純に上塗りだけ塗ればいいということでは無くなってきますね。

非常に興味深いお話がたくさん聞けました。
ありがとうございました!

株式会社絆では、関西ペイントさんの「ダイナミックTOP」を取り扱っております。
ご相談やご質問はお気軽にこちらよりご連絡ください

次回も塗料のギモンを関西ペイントの方々に質問していきます!お楽しみに!

 

外壁塗装の塗り替えシュミレーション